カミクズが
風に吹かれている
 と思っていると

カミクズが
花にとまった

なんだ
紋白蝶か
 と思っていると

蝶ではない!
 と羽に書いてある

蝶ではなく
 カミクズでもなければ

なんだ?
 と思っていると

アタマがちょっと
痛くなって

わたしが
蝶になって

カミクズのようにころがりはじめた
ころがりはじめてとまらなかつた

言葉の錯覚

2002年7月26日
勿論、この話は、
ロシアの山とは関係ない。
ロシアにだって山は、ある。
だが、それは八橋久美子の知っている山と
同じかどうかは八橋久美子が
登ってみるまでは分からない。
行く先が見えなくなって、
どっちに進めばいいか分からなくなった時、
どうするか知ってる?

まずは笑うのよ。

ほんとは自覚あり

2002年7月24日
うそだ

そんなのうそだ

みんなじぶんのためなの

いいわけしてるの
何もしないでいるのを

毎日毎日のことで
忙しくて

このままでいいのかしら?
どうしたらいいの?とか
そういうことを

家族のせいにして
ごまかしてるの
あきらめたふりして
母親をうらんだりして

さみしいとか
友人がいないとか
恋人がいないとか

そういうことを

何もしないで28年間
生きてしまったことを

そう思わない?

2002年7月23日
「やっちゃえば?その女」
「めんどくせーじゃん
 やったら
 やったあと絶対
 やべえと思うのが
 みえるようなことは
 したくないやんけ
 みんな無駄なセックスを
 しすぎてると思うな
 ぼくちん」
「おーさすがオナニスト」

多/少

2002年7月22日
冬が終わると春になる
春が終わると夏になる
夏が終わると秋になって
秋が終わると冬になる
考えてみりゃそのくりかえしだよ
地球はそんなこと何百億回もやってるんだねえ

オレにとっては29回目の夏だよ
まだ29回なのかもう29回なのか
それが多すぎるのか少なすぎるのか
分かんないけど
なんだかたまに
とっても不思議な気がするよ

毎日さして
何も起こらないし
変わらない

でも極端に
こうなってくると
逆にいいかんじ

どこかの学者が
いってたっけ?
「飽和的な差異の
 喪失はむしろ“崇高”」
だっけ?

よせあつめブルーズ

2002年7月21日
空を奪われ
明日が割れ
心蝕む闇が生まれ
夢は枯れ
不安に慣れ
ああ 空の行方を知るのは誰
教えておくれ
行き場失う鳥と雲と星とオレ
一日の世界が消え
捨てた時計
転がる街はグレー

登る屋根のてっぺん
イマジネーションで飛行訓練
根にも怖れず飛ぶオレに未練
身体の中で木霊するサイレン

全て投げ出した瞳
明日は我が身
見失いそうな富
こみ上げる涙のみ
もう 開きたくないこの瞳
瞼を閉じたときに見えた光
捜しているオレはひとり…ひとり

崩れていく真実の輪郭
威嚇しあう不安と希望の闘いは互角
見抜けない東京の錯覚
騙されりゃ失格
この古びた羽根は昔みたく
言うこときくか全く
分からず くったく
でも宙を舞う夢は抱く
その生き方は苦く

ああ 空が気になり
眠れない
眠るふりもできない
これ以上本当の言葉
人まかせにはできない

みっつ数え見上げたら
息が止まるような青空
元に戻れ
ひとつ ふたつ みっつ

いつの日かあの時の空取り戻し
迷える者同士
輪になり夜通し
語り合い
忘れられない
俯いた日々を笑い
とばしたい

生まれて初めて見た鮮明な希望
それは強い心に秘められた野望
無限に拡がる青い世界へ跳ぼう
今本当の空へ飛ぼう

PEACH

2002年7月20日
どんなことしてほしいのこのぼくに

気持ちE

2002年7月18日
短時間で君と最高のコミュニケイション
感じただろ?
俺の空洞 腹の中に
病気なのか
頭炭酸かなりポップ
陽気なのか
俺は風船
または風船ガム

頭炭酸 頭炭酸

勘違いで鳥と最高コミュニケーション
鳴いてただろ?
昨日ずっと楽しそうに
病気なのか
頭風船誰か持って
陽気なのか
風で飛んでっちまいそうだ

頭風船 頭風船

頭炭酸 頭炭酸

3時間で月に3回のバケイション
呼んでただろ?
俺を最近君はいつも
病気なのか
頭炭酸かなりポップ
平気なのさ
俺は風船
または風船ガム

頭炭酸 頭炭酸
言語と世界のやり方が
一つしかないと思ったのは
誤りだ
言葉を使ってする事は
いろいろある
“様々な言語ゲーム”と言おうか
言葉の意味とは特定の言語ゲームでの
言葉の用いられ方に過ぎない
哲学の問題は
複数の言語ゲームを混同して起きる
例えば、人は魂の本質について悩む
それは魂を一つの物体のように考えるからだ
ある言い方と別の言い方を混同しているのだ

─哲学の役目は言語ゲームの選別なのか?

その通り
言語ゲームはあるがままのもの
哲学では否定しようもない
すべてをあるがまま認めるしかない

人が言葉を習うのは文化に属しているからだ
文化はある生活形式 行動のとりかただ
つまり話し方も自分の行動様式を反映する
それはまさに公共的な事だ

自己の存在から始まる
私的感覚について思い悩む
あの古くさいモデルを覆したい

私は我々の文化から始めたい
我々が共有する生活からだ
自分の考えや感じを
公共の言葉で表現するのだ
言語は世界の写像なのだと
そう信じてきた
だがどうしてそうなるかが
分からない
何かを見る自分を
見ようとするようなものだ
言葉の働きは
言葉で表現できない
それは神秘なのだ
だが間違ってた
言語は写像などではない
道具だ
器具だ
単一の世界像などない
異なる言語ゲームや
異なる生活形式があって
互いに拮抗しあう
私の言葉の限界は
私の世界の限界なんです
言葉の壁にぶつかってばかりいる
すまない
今日の私は役立たずだ
私はもうだめだ
許してくれ

清潔なココロ

2002年7月15日
世界を一つの論理にしようとした若者がいた
頭のいい彼はその夢を実現し
一歩下がって出来映えを見た
美しかった
不完全も不確実もない世界
地平線まで続くきらめく氷原
若者は自分の世界を探検することにした
踏み出した彼は仰向けに倒れた
摩擦を忘れていたのだ
氷はつるつるで汚れもなかった
だから歩けない
若者はそこに座り込んで
涙にくれた
でも年をとるにつれて
彼には分かってきた
ザラザラは欠点ではなくて
世界を動かすものだと
彼は踊りたくなった
地面に散らかった物や言葉は
汚れて形も定かでなかった
賢い老人は
それがあるべき姿だと悟った
それでも彼の中の何かが
氷原を恋しがった
そこでは すべてが輝き
純粋で絶対だった
ザラザラの地面はいいが
彼には住めなかった
それで
彼は地面と氷の間にいて
どちらにも安住できなかった
それが
彼の悲しみのもとだ

マンガの世界─2002

2002年7月14日
だいたい彼は独りでろくでもない事考えてる間に終わっちゃうね
何時電話しても居ないって言うけど頭の中で爆音が鳴ってるから聞こえねえよ
迷子になった覚えはない
スピードに乗ってる実感もない
でも最後に飛び乗った
わけないぜ

それは単純だけど少しの目の位置で何にでも変われるって
馬に変身 盛り上がってないときもなんらかの楽しみかたがあって
迷子になった覚えはない
スピードに乗ってる実感もない
でも最後に飛び乗った
わけないぜ

クレイジーワールド
マンガの世界で
クレイジーワールド
これからもやっていくわけなんだけど
クレイジーワールド
マンガの世界も 
本当は楽じゃないぜ

だいたい俺は今3歳なんだけど2歳のときにはもう分かってたね
それは単純だけど少しの目の位置で何にでも見えるってことを
迷子になった覚えはない
スピードに乗ってる実感もない
でも最後に飛び乗った
わけないぜ

クレイジーワールド
マンガの世界で
クレイジーワールド
遊ぶ
クレイジーワールド
踊る
クレイジーワールド
歌う
本当は
俺も 君も そしてみんなも
このへんてこな世界でこれからやっていくわけなんだけど


もう十分年老いたわ

2002年7月13日
いいさ どうせいい案ないし
いいさ どうせ急いでないし
本当がどうだって関係ないし
つながっていたいなんて思ってないし

もうどうにかしたいだなんて言うほうが気分じゃないし
実際、「正しい」を前に間違いをわかって選ぶのさ

なるようになるさ たぶん
なるように
多分、なるようになって
いつか若かったせいで片づいちゃうのさ

夢また夢また夢

2002年7月12日
ああ 明け方に見る夢は決まって
熱い空の上 喉は渇いて
もう叫んでも声は届かない
ああ からみつく孤独ばかり
たとえ罪でも全て壊したい


誰かここへ来て
強く抱きしめて
そして静かに声を聴かせて
短い言葉で
返事を聴かせて
誰かここへ来て短い言葉でいい
お願いだから声を聴かせて

再起

2002年7月11日
ぼくは影のことを考えた。
飛んでる鳥の側には影がない。
着地した時にだけ、
鳥は自分の長くのびた黒い存在を思い起こすことができる。
影はそこにはなくても存在するものを思いおこさせるのだ。
その時までぼくは、自分の影の存在に気づかず、
その意味ではすべてのものたちの影の存在に気づいていなかった。
高い空を飛ぶために、
鳥は翼の下にあるすべての本質を見る必要がある。
そうでないと、惑星の上をただ無目的に飛んでいるだけにすぎない。
存在しないように見えても、
確かに何かが存在するんだと、
ぼくはどきどきしながら考えた。

それから、
とても自然に
ぼくは自分の長い翼を風の中に持ち上げ、
大きく拡げて、
対岸の端を素直に旋回した。
やっと自分の影を見いだした鳥として、
ぼくはいまふたたび空にもどろうとしていた。
そして以前は、孤独に感じられた今度の経験は、
これまでも多くの鳥が体験したであろうし、
これからもそうだろうことを確信した。
生きるということは、
こうして、空をまもるための智慧を鳥に教えてくれるのだ。

その夜はお互いにそれぞれ別の方向へ向かったが、
ぼくは彼のコトバ以外、何も考えられなかった。
彼のやたらとこっちを混乱させるコトバの使い方は
生まれながら横歩きしているせいかもしれない。
翌朝、僕は早起きして彼を待った。
一日中待った。
しかし、結局、彼は現れなかった。

ゴーストクラブが現れるのをぼくはやめた。
彼に会うことが嬉しくなくなったのではなく、
ただ待つだけの日々を過ごすのをやめたのかもしれない。
どうして待つのをやめたかと問われると
それは難しい。
毎日がとても忙しいのだ。
学習し、物をあつめ、さらに観察を重ねて、
ぼくは次第に気づき始めた。
ゴーストクラブが言わんとしていたのは
おそらく、
ただ待って時間を無駄にすることと、
待ちながらじっくり学ぶことの違いを発見しろ
ということではなかったか。

涙のてんてん辿って、うちがばれないように
捨てたハンカチ拾って、うちがばれないように
古い友達辿って、うちがばれないように
変えた名前捜して、うちがばれないように

捨てたカンカン拾って、うちがばれないように
抜けた髪の毛たぐって、うちがばれないように

何か足りない
差し込んで
抜いたらもいちどはめて
最高のちょっと前
いつもたりない届かない

さあ全部受け取ろう
そしてはじから捨ててこう

不安だらけの記憶
逃げろ
どこまでも逃げろ

「普通とか普通じゃないとかいう見方に囚われている限り、
普通じゃないものは普通じゃないんだ。
結局のところ、普通でない君を受け入れるのに、
普通でない僕ほど適しているものはいないだろう。
きっときみは、自分が知っていることに慣れすぎているんだよ。
きみはこれから自分が知らないことを知る必要がある。
それだけのことさ。
きみは飛ぶ能力を失ったんじゃない。
どこかに置き忘れただけだ。
物をなくすってことはそれが消滅するってことだけど、
置き忘れるってことは、消えることじゃない。
探し出すには、丹念に注意を払って、
気づかなかったことに気づくことだよ。
何が重要かってことさ。
例えば、きみのコレクション。
きみが集めてるものの中で、
何がほんとに重要で、何がそうでないかに気づかなくっちゃ。」

「ぼくはただ集めることしか考えてなかった」

ネガポジ逆転

2002年7月7日
惑星のどこにとどまっていようとも、きっと鳥は鳥であるはずだ。星が地上に落ちても、それでも星は星なのだから。


ぼくは毎日、様々なことが起きるのを注意深く見守った。
様々なことのなかから、何か答えが見つかるのではと期待しながら。
そうするうちに、やがてモノトーンと見えるもののなかに、
鮮やかな、いくつもの色が見えてきたのだ。
ぼくは気づいた。
それまでぼくが生きてきたモノトーンのなかで、
自分は本当のものを何一つ見ていなかったのだと。
ぼくの中にはすでに自分が知っている色調を期待する気持ちもあったが、
そういったものは大して重要ではないと結論づけた。
しかし、それでも、ぼくはたしかに感じていたのだ。
モノトーンに見えるすべてのなかには、
色が欠けているということだけではなく、
それ以上の何か大事なものがあるのだと。
そして今
そのことを自分が認識できるかできないかの
大事な瀬戸際にいることを。

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