試練のとき

2004年6月22日
ある晩、男が夢をみていた。
 

夢の中で彼は、神と並んで浜辺を歩いているのだった。 
そして空の向こうには、彼のこれまでの人生が映し出されては消えていった。

どの場面でも、砂の上にはふたりの足跡が残されていた。 
ひとつは彼自身のもの、もうひとつは神のものだった。
  
人生のつい先ほどの場面が目の前から消えていくと、彼は振り返り、砂の上の足跡を眺めた。

すると彼の人生の道程には、ひとりの足跡しか残っていない場所が、いくつもあるのだった。
 
しかもそれは、彼の人生の中でも、特に辛く、悲しいときに起きているのだった。

すっかり悩んでしまった彼は、神にそのことをたずねてみた。

「神よ、私があなたに従って生きると決めたとき、
 あなたはずっと私とともに歩いてくださるとおっしゃられた。
 しかし、私の人生のもっとも困難なときには、いつもひとりの 
 足跡しか残っていないではありませんか。

 私が一番にあなたを必要としたときに、なぜあなたは私を
 見捨てられたのですか」
  
 神は答えられた。
「わが子よ。私の大切な子供よ。私はあなたを愛している。
 私はあなたを見捨てはしない。

 あなたの試練と苦しみのときに、ひとりの足跡しか残されていないのは、
 その時はわたしがあなたを背負って歩いていたのだ」

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