ピエロ

2003年10月16日
私の頭の中には、いつの頃からか
薄命そうなピエロがひとり棲んでいて、
それは、紗の服かなんかを着込んで、
そして、月光を浴びているのでした。

ともすると、弱々しげな手付きをして、
しきりと 手真似をするのでしたが、
その意味が、ついぞ通じたためしはなく、
あわれげな 思いをさせるばっかりでした。

手真似につれては、唇も動かしているのでしたが、
古い影絵でもみているよう・・・
音はちっともしないのですし、
何を云っているのかは、分かりませんでした。

しろじろと身に月光を浴び、
あやしくもあかるい霧の中で、
かすかな姿態をゆるやかに動かしながら、
眼付きばかりはどこまでも、やさしそうなのでした。

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