ポールはナタンを賞賛するが
羨むことはない
賞賛できる友は、疲れたときに腰かけられる石と同じだ
利害のない関係は、一見、冷たく遠慮がちに見える
ポールもナタンには控えめだ
お互いの領域と能力を認め合っている
厳格な関係性を保ち
親しみを出すのは
危険がないと判断してからだ
二人はこの“親密さの欠如”を信仰告白のように楽しむ
何を言い合ってもお互いの距離が
“べとつく親密さ”に変わることはないと
分かっているのだ
ポールが望むものは?
自分にはふさわしくないと考えがえるが、
ナタンの理性的な友情だ
ナタンが認め応えてくれることが嬉しかった

ポールの友情はまず友を思うこと
彼にとれば“思うこと”は“保護”と同義語だ
好意的に思えば相手を守れると信じている
思うのを止めても友に悪影響はないが
ポールは“やめる”ことはできなかった

やがて他の友人は
愛に満ちた彼の考えに感化されたが
ナタンだけはその呪文から逃れていた

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索