両親

2003年3月1日
月に一度
月の消える夜があって。

その夜が明けると
ウソの両親がやってくる。

どこがどうウソかというと・・・

私のことをヘンな名前で呼ぶことだ。
その名はドブドロのニオイがして

げーーーーーーーーーーーーつ

思わず吐いてしまう。

そうして
ウソの両親は私の好物だといって
ひからびたドーナツを3つ差し出し
気味の悪いウソの思い出を私に押しつけようとする。

イヤになった私がトモダチのことをきりだすと
彼らの視線が不安と期待で私に注がれる。

トモダチの名はザカリアス

彼は射手座のB型
実家は鉄工場で
羊の皮をかぶった人殺し
子供を八つ裂きにし
その臓物をすすり
一晩に七つの夢を見て
紫のカギ爪は毒なので触ってはダメ。
夜になると私の部屋にしのびこみ
首をしめるが殺しはしない
目をはなしてはダメ
彼の目から目をはなしてはダメ
なぜなら
だって彼は黒い運命の使者であり
背後にひそむ者の影であり

私の
私の
私の私の私の
私の私の 私の・・・

トモダチのザカリアスは!!

気がつくと
ウソの両親はすでに小さな二つの黒いしみ
すすり泣きと共にドアのすきまにすいこまれてゆく

そしてその夜から
また月が生まれる。

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