深淵に臨む如く、薄氷を踏む如く
2002年10月14日ぼくのまちに
白夜がやってきた
巨大なバケツが逆さまに落ちてきて
まちを覆ったんだ
まちの天井
つまりバケツの底を
ひとびとは空と呼んだ
まちに
閉所恐怖症の男がいた
かれは「ここから出たい」と叫び
空に向けてピストルを放った
天井で金属音
その瞬間
空にはじめて星が誕生した
六等星くらいの青い星
「太陽をつくろう」とだれかが言い出した
まちじゅうの打ち上げ花火が集められ
束ねて空に向けられた
3、2,1
バケツの中でその音は
何十倍にも反響し
ひとびとの鼓膜を破った
やがて
空は粉々に砕け
ひとびとの上に降り注ぎ
ゆっくりと
ぼくたちの目を傷つけた
白夜が終わった
きっと頭上には本物の空があるのだろう
でもだれもそれを空とは呼ばない
ぼくたちは最後に見たんだ
空が壊れていくところを
白夜がやってきた
巨大なバケツが逆さまに落ちてきて
まちを覆ったんだ
まちの天井
つまりバケツの底を
ひとびとは空と呼んだ
まちに
閉所恐怖症の男がいた
かれは「ここから出たい」と叫び
空に向けてピストルを放った
天井で金属音
その瞬間
空にはじめて星が誕生した
六等星くらいの青い星
「太陽をつくろう」とだれかが言い出した
まちじゅうの打ち上げ花火が集められ
束ねて空に向けられた
3、2,1
バケツの中でその音は
何十倍にも反響し
ひとびとの鼓膜を破った
やがて
空は粉々に砕け
ひとびとの上に降り注ぎ
ゆっくりと
ぼくたちの目を傷つけた
白夜が終わった
きっと頭上には本物の空があるのだろう
でもだれもそれを空とは呼ばない
ぼくたちは最後に見たんだ
空が壊れていくところを
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