その夜はお互いにそれぞれ別の方向へ向かったが、
ぼくは彼のコトバ以外、何も考えられなかった。
彼のやたらとこっちを混乱させるコトバの使い方は
生まれながら横歩きしているせいかもしれない。
翌朝、僕は早起きして彼を待った。
一日中待った。
しかし、結局、彼は現れなかった。

ゴーストクラブが現れるのをぼくはやめた。
彼に会うことが嬉しくなくなったのではなく、
ただ待つだけの日々を過ごすのをやめたのかもしれない。
どうして待つのをやめたかと問われると
それは難しい。
毎日がとても忙しいのだ。
学習し、物をあつめ、さらに観察を重ねて、
ぼくは次第に気づき始めた。
ゴーストクラブが言わんとしていたのは
おそらく、
ただ待って時間を無駄にすることと、
待ちながらじっくり学ぶことの違いを発見しろ
ということではなかったか。

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