しかしある日、突然、全てが変わってしまった。
ぼくは飛ぶことができなくなり、
ぼくの生活は劇的に変化したのである。
ある日、ぼくは飛んでいたのに、
次の瞬間、不意に飛べなくなったのだ。
ぼくがそれまで知っていことは、もはやそこにはなく、
ぼくの前にあるのはまったく未知の世界だ。
何かが壊れたのなら、それは修理しなければならない。
そこで、ぼくはすぐさま自分自身の壊れた部分のチェックを始めた。
ぼくは一度だけではなく、二度も三度も、
くりかえしチェックした。
しかし何も壊れたり、なくなっている部分はない。
治療したり、修理する部分は、どこにも見つけられなかった。
最初は何か外側が壊れているのだろうかとぼくは考えた。
しかし、そうではなかった。
そこでぼくは考えた。
外部ではなく、ひょっとして内面に問題があるかもしれない、と。
飛ぶための信条や本性が失われたのかも。
そして、結局、ぼくは、自分の内面が壊れたとの結論に達した。
仲間はなぜ飛ばないのかと質問した。
ぼくはまだ自分で十分に納得できないでいる事実を
ありのまま伝えるかわりに、
手の込んだいいわけをでっちあげた。
そして時がたつにつれて、
ぼくのいいわけは独創的になっていった。

こうして、ぼくだけの旅が始まったのである。

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