玉井さん その4

2001年12月15日
 帰ってくるとくたくただ。
 スーツもブラウスも下着も全部投げ出したい。
 とはいえ、お風呂が沸かしてある訳でもない。
 とりあえず、全部投げ出して、
 ただ冷たい浴槽に脚を入れて、熱いシャワーを浴びる。
 首筋にしばらくお湯をあてて、神経を生き抜きさせてやる。
 だんだんおなかも空いてくる。
 冷蔵庫に何か残っていたっけ?
 留守電には何も入っていない。
 電話がくるのは、週一回高校時代の友達からだ。
 メールは特に何も来ていない。
 メルマガだけがたまっていく。
 それでも、ネットをさまよって、
 好きな音楽をバックに無音のテレビをザッピングして
 寝る準備をする。
 お酒はひとりでは飲まない。
 よけいに眠れなくなるから。
 玉井さんは今頃どうしているだろう。
 もう、だんなさんと眠っているかもしれない。


 今日も眠れない夜みたいだ。
 まだ神経がピリピリ起きている。
 明日寝不足になるのは、わかっているのだが、
 気分転換に駅の近くの朝までやっているバーまで歩いていく。
 3杯くらいカクテルを飲んで、料理上手のマスターお手製の焼きうどんを食べて、
 店の男の子とたわいない話をして、
 満足して帰る。
 ホストクラブみたいだ、なんて思いながら。
 私はいくら彼らに落としていったろう。
 それでも、ほぐれた気分は捨てがたいものだ。
 それがお金で買えるのなら払うよ。
 ホストクラブには行かないけどね。
 でも、同じ気持ちなのかもしれない。
 ホストクラブに行く人も。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索