イエスと私が距離を縮めるにつれて、
 兄は宗教・信仰に対する研究に熱心になった。
 それまで馬鹿にしていた学問に連日打ちこんだ。
 読み書きさえ教わることを拒んでいた兄のその姿は、
 初めて、私に優越感を与えた。
 兄は必死で熱心さをアピールした。
 だが、イエスと出会い、高みの存在を感じるのではなく、
 知ってしまった私は、優越感にひたることさえ許されなかった。
 彼のあがきもまた切なく思えた。
 私は、兄に対して無関心になっていった。
 それは、赦しに似ていたかもしれない。

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