インターミッションその5 安吾のさきどる引き篭もりの心境
2001年11月27日 凡そ退屈なるものの正体を見極めてやろうと、
そんな大それた魂胆で、
私はこの部屋に閉じ籠ったわけではないでいのです。
それとは全く反対に、
凡そ憂鬱なるものを忘却の淵へ沈め落してしまおうと、
それは確かに希望と幸福に燃えて
此の旅に発足したのでした。
それも所詮単なる決心ではありますが―
とにかく其の心掛けは有ったのです。
勿論初めのうちは、時々は散歩に出かける心持にも
なったものですが、
その気持ちでさて立ち上がってみますに、
何か一つ心に満ち足りない感じがして、
ついうかうかと窓から外ばかり眺めているうちに、
ガッカリして寝倒れてしまい、
もう天井にジッっと空洞(うつろ)な眼を向けて、
放心してしまうのです。
そんな風にしていて、決して愉快であるわけではないのですが、
今ではあきらめて、
まるで外出する気持ちにもならないのです。
それは確かに退屈千万で耐え難いのでありますが、
たまさかに外へ出てみる気持ちにもなると、
その気持ちになっただけが尚更に負担で、
全くガッカリしてしまうのです。
そんな大それた魂胆で、
私はこの部屋に閉じ籠ったわけではないでいのです。
それとは全く反対に、
凡そ憂鬱なるものを忘却の淵へ沈め落してしまおうと、
それは確かに希望と幸福に燃えて
此の旅に発足したのでした。
それも所詮単なる決心ではありますが―
とにかく其の心掛けは有ったのです。
勿論初めのうちは、時々は散歩に出かける心持にも
なったものですが、
その気持ちでさて立ち上がってみますに、
何か一つ心に満ち足りない感じがして、
ついうかうかと窓から外ばかり眺めているうちに、
ガッカリして寝倒れてしまい、
もう天井にジッっと空洞(うつろ)な眼を向けて、
放心してしまうのです。
そんな風にしていて、決して愉快であるわけではないのですが、
今ではあきらめて、
まるで外出する気持ちにもならないのです。
それは確かに退屈千万で耐え難いのでありますが、
たまさかに外へ出てみる気持ちにもなると、
その気持ちになっただけが尚更に負担で、
全くガッカリしてしまうのです。
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