手鏡:そう…あんたがそう言うなら…
   この世界はツクられたもんなんだわ。
   ただの誰かさんのためのオハナシでしか
   ないんでしょ?
グリム:ごめん。
   でも僕、グリムの居る世界だってオハナシ
   かもしれない。
   真実なんてありはしないよ。
   目に入るものさえ、僕には信じられない。
   この世界、僕の頭の中の迷宮さえ水の泡。
手鏡:それで、あんたの居場所に戻って、
   この話の続きを書くのね。
   「白雪姫」を。
グリム:うん…勝手なのはわかるんだ…でも…
   僕は…。そうだなあ、(苦笑)王子に
   なりたかったなあ。
   …でも、キミに逢えたのは本当に良かった。
手鏡:(苦笑)ほんと勝手よ、あんたって。
   
グリムが優しく微笑む。すると鏡にひびが入り、
像が写らなくなる。

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