魔女に扮した王妃がやってくる。

王妃:そこの仲睦まじいお二人さん。
   この林檎はいかがだい?
   お前さんたちにぴったりだよ。
   なんたって、普通の林檎より重いのさ。
   その重さのぶんだけ想いがこもってる。

   自分のことが知りたくないかい?
   試してみたいと思わないかい?
   自分が相手のことをどう想っているのか。
   
王子:失礼だが、毒味をさせてもらえないか。
   お前のような手合いは信用できなくてね。
王妃:そりゃあもう結構ですよ。
   気の済むようになさいな。
   では、この「想い林檎」を二つに分けて
   さあ、こちらをどうぞ、王子。
王子:姫。お先に失礼させていただきますよ。
   (食べる)ふむ。大丈夫なようだな。
白雪姫:じゃあ、さっそくいただくわ。
   ありがとう、おばあさん。
   ふふふ。一体どんな想いがこもっているの
   かしらね。

白雪姫は、口にした途端苦しみだす。
驚く王子など一瞥もくれず、白雪姫を満足そうに
見下ろす王妃。

王妃:(高笑い)どんな想い!?
   私の積もり積もった怨念だよ!
   (空を仰いで)
   さあ、鏡!今こそお前に質問しよう!
   この世で一番…
王子:お前は王妃だったのか。
   おのれこの鬼女め!

王子、剣を抜き、王妃を突き刺す。
恐ろしい形相で手を空にかざしながら血を吐く
王妃の表情がふとやわらぐ。

王妃:お前がグリム…?

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