小人の家の近く。森の中。
小鳥が囀り、美しい花咲く、物語のような場所。グリムの趣味なのか。

王子:鏡が?
白雪姫:そう。お隣の国からいらしたあなたは
   知らないでしょうけど、この国の宮殿に
   は、会話ができたり、国中の鏡という鏡 
   に顔の利く大きな鏡が居るのよ。
   …私、知っているわ。彼がいつだって
   私のことを助けてくれるのを。
王子:「彼」って、その大きな鏡って男なの?
白雪姫:ええ。
   彼に対する感情、それは、肉親に対する
   確信と似ているわ。
   でも、何故かしら…
   彼に会うと、私、どうしていいか分からなく
   なるの。
   (しばらくして、にっこり微笑んで)
   私、国中のみんなが好きよ。
   あのお義母様でさえ、私は許しているもの。
王子:まるで、雪んこのお雪ちゃんのように
   心が広いんだなあ。
白雪姫:そう、それ!
   小さな頃は、みんなに「雪ちゃん、雪ちゃん」
   って、呼ばれていたの。
   でも、その「雪」は、宇宙戦艦ヤマトの
   ユキにも斉藤由貴にも聞こえて、
   なんだか寂しかった。
   私の「雪」は違うのよ。
王子:どんな風に違うの?
白雪姫:一応、特別仕様なの。
   本当のお母様に教えてもらったのだけど、
   この「雪」は「グリム」の為に降る雪
   なのよ。
王子:本当に姫は不思議なことばかり仰る。
   「グリム」とは何です?
白雪姫:それは、私も知らないの。
   何かのメタファーじゃないのかしら?

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