小さな戯曲「グリム著白雪姫」Scene1
2001年10月29日いかにもその場限りの戯曲という風の設定に
負けていない鏡が一つ。
鏡:雪のように色が白く、墨のように黒い髪
加えて、林檎のように愛らしい頬なんて
わがままな願いを殊勝にも聞き入れられて
生まれ育った白雪姫。
実は、僕は毎日、姫の継母、
世が世になっちゃって今は王妃なんか
になってるおばさんの
(王妃オフ台詞)
鏡よ、鏡よ、鏡さん。この世で一番…
(さえぎるように)
なんて必死のモーションにもなびかず、
ただ、ひたすらに、
姫を想い続けてるんです。
手鏡:あんた、まだあの娘が好きなの?
鏡:ああ、手鏡、いたのか。
君はどこにでも持ち歩いてもらえていいねえ。
手鏡:ふふふ。
それより、今日は情報があんのよ。
あんたのことよ。
鏡:三面記事にでも載ったのか?
「王室の一室にある顔がでかすぎ不器量な
鏡が次期国王に立候補!!こともあろうに、
かの白雪姫と電撃結婚!!!」
なんて。
手鏡:んなわきゃーない。あんたの名前よ。
グ・リ・ムさん。
鏡:なんだそりゃ。
なんで僕の知らない僕を知ってるんだあ。
手鏡:だって、ほら、私たち、
閉じられた三面鏡の関係にあるじゃない。
鏡を写す鏡。その中で思いがけない
三面記事を見つけたってわけ。
鏡:閉じられた?近すぎて良く見えないなあ。
手鏡:あんたの姿が私に写ってきたの。
あんたは、これから目覚めるのよ。
そして、何も写せなくなる。
鏡:何も!?
手鏡:さてと。お給料分の仕事はしたからね。
おまけをつけると、
また、王妃が今度は林檎で姫を殺そう
としてるわ。
(手鏡退場)
鏡:おい!もっとちゃんと教えろよ!おい!
……なんて言ってた?
僕はグリムで……
「グリム」っていえば、国王が僕に教えた
例の国家機密にもそんな言葉がでてきたっけ。
負けていない鏡が一つ。
鏡:雪のように色が白く、墨のように黒い髪
加えて、林檎のように愛らしい頬なんて
わがままな願いを殊勝にも聞き入れられて
生まれ育った白雪姫。
実は、僕は毎日、姫の継母、
世が世になっちゃって今は王妃なんか
になってるおばさんの
(王妃オフ台詞)
鏡よ、鏡よ、鏡さん。この世で一番…
(さえぎるように)
なんて必死のモーションにもなびかず、
ただ、ひたすらに、
姫を想い続けてるんです。
手鏡:あんた、まだあの娘が好きなの?
鏡:ああ、手鏡、いたのか。
君はどこにでも持ち歩いてもらえていいねえ。
手鏡:ふふふ。
それより、今日は情報があんのよ。
あんたのことよ。
鏡:三面記事にでも載ったのか?
「王室の一室にある顔がでかすぎ不器量な
鏡が次期国王に立候補!!こともあろうに、
かの白雪姫と電撃結婚!!!」
なんて。
手鏡:んなわきゃーない。あんたの名前よ。
グ・リ・ムさん。
鏡:なんだそりゃ。
なんで僕の知らない僕を知ってるんだあ。
手鏡:だって、ほら、私たち、
閉じられた三面鏡の関係にあるじゃない。
鏡を写す鏡。その中で思いがけない
三面記事を見つけたってわけ。
鏡:閉じられた?近すぎて良く見えないなあ。
手鏡:あんたの姿が私に写ってきたの。
あんたは、これから目覚めるのよ。
そして、何も写せなくなる。
鏡:何も!?
手鏡:さてと。お給料分の仕事はしたからね。
おまけをつけると、
また、王妃が今度は林檎で姫を殺そう
としてるわ。
(手鏡退場)
鏡:おい!もっとちゃんと教えろよ!おい!
……なんて言ってた?
僕はグリムで……
「グリム」っていえば、国王が僕に教えた
例の国家機密にもそんな言葉がでてきたっけ。
コメント